「部分入れ歯の金具を見られるのが嫌だ…」
部分入れ歯にしているとつけている位置によっては金具が目立ってしまい、隠したいと思っている人は多いと思います。
そこで今回は、部分入れ歯の金具を隠す方法について解説します。
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- 部分入れ歯の金具を隠す方法
- 目立たないところに金具を引っ掛ける
- 部分入れ歯のメリット
- 部分入れ歯にせず歯のない状態を放置するのはリスクが大きい
部分入れ歯を目立たなくする方法を知ることで、人前で気にすることなく話せるようになるでしょう。部分入れ歯についてお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
部分入れ歯の金具を隠す方法4選
部分入れ歯の金具を隠す方法は以下の4つです。
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- 目立たないところに金具を引っ掛ける
- 金具の形を目立たないように変える
- 金具のない(ノンクラスプデンチャー)を使用する
- 金具を白く塗る
それぞれ解説していきます。
目立たないところに金具を引っ掛ける
金具を引っ掛ける位置を工夫することで、自然なお口に仕上げることができます。金具を通す位置や患者さんの口の開き具合によって、上手に隠すことが可能だからです。
例えば、奥歯を部分入れ歯に変えるとします。目立ちにくそうな場所ではありますが、大きく口を開けて笑う方であれば、金具が見えてしまうかもしれません。そのため、金具を奥歯の歯茎の下のところに設置する必要があります。
ご自身の口の開く角度や唇の動き方に合わせて、金具を引っ掛ける位置を調整しましょう。
金具の形を目立たないように変える
金具の形を変えるだけでも、見えにくくする効果があります。
部分入れ歯の金具は、以下の3つが存在します。
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- 金銀パラジウム合金
- ニッケルクロム
- コバルトクロム
金銀パラジウム合金やニッケルクロムでできた金具は、丈夫ですが金具が太いのに対し、コバルトクロムの金具は針金のように細く目立ちにくいメリットがあります。
そのため、小さな部分入れ歯であれば細い金属でも十分に固定できますので、気になる方はコバルトクロムでできた金具を選びましょう。
金具のない(ノンクラスプデンチャー)を使用する
金具をなくし歯茎や粘膜に触れる面積を増やし、覆うように固定するタイプの部分入れ歯を使うのもおすすめです。ノンクラスプデンチャーと言います。
金具を使わないため自然な口元になるだけでなく、薄くて軽いため装着しても違和感を感じにくいです。また、金属アレルギーの心配もありません。
デメリットとしては、費用が高くなってしまうことです。金属のある部分入れ歯と異なり、ノンクラスプデンチャーは保険の適用外になるためです。
デメリットも考慮しつつ、自然な仕上がりを目指すのであれば、金具のない部分入れ歯をおすすめします。
金具を白く塗る
金具に色を塗ることで目立ちにくくできます。
部分入れ歯のタイプによっては、金属特有の材質や色を変えることで、自然に生えている歯のように見せられます。
たとえば、アセタル樹脂という熱可塑性レジン(歯科用プラスチック)という材料(保険適用外)は、丈夫なうえに柔軟性もあるため、激しく口を動かしても外れにくくストレスなく装着できます。
また、市販で金具を塗ることができる商品も存在します。歯科医師と相談したうえで使用すれば上手に金具を隠すことができ、堂々と人と話せるでしょう。
部分入れ歯のメリット
部分入れ歯は、金具が隠れないと目立ってしまう反面、メリットも多くあります。ここからは、部分入れ歯のメリットとして以下の3つをご紹介します。
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- 保険適用で費用を抑えられる
- 広い範囲で短期間で作成できる
- 手術が不要
若い人をはじめ部分入れ歯にするか迷われている方は、ぜひ参考にしてみてください。
保険適用で費用を抑えられる
基本的に、部分入れ歯の場合は保険が適用され、価格を抑えることができます。保険で作られる入れ歯は、部位ごとに材質が異なります。
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- 歯・歯茎:プラスチック(アクリルレジン)
- 金具:金銀パラジウム合金、ニッケルクロム、コバルトクロム
材質によっては保険適用外となることがあるので、注意してください。希望する材質が保険適用なのかどうか、事前に歯科医師へ確認しましょう。
広い範囲で短期間で作成できる
部分入れ歯であれば、抜けた歯の本数が多くても広い範囲でカバーすることができます。さらに、一人一人のお口の状態に合わせて歯を補填することが可能です。
たとえば、下の顎側の右に2本、左に3本の歯が抜けているとします。離れた位置で歯が抜けていたとしてもワイヤーを通すことで、何個も部分入れ歯を作る必要をなくせます。
部分入れ歯ができる期間は約1ヶ月ほどで、以下の流れで作成されるのが一般的です。部分入れ歯は以下のような流れで完成ます。
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- 患者の歯の型をとり、モデルを作成する
- モデルから歯茎の咬合床(歯茎のパーツ)を作成する
- 噛み合わせを確認し、設計する
- 咬合床(歯茎のパーツ)に人工歯を並べる
- 装着・調整を行い、噛み合わせに問題なければ完成
部分入れ歯はインプラントやブリッジとは異なり、他の健康的な歯を削る必要がないのも魅力の1つでしょう。
手術が不要
部分入れ歯であれば、手術をしなくても治療ができます。患者さんの噛み合わせや抜けた歯の状態に合わせて、部分入れ歯を作れば問題ないからです。
その他の治療法であるインプラントは、歯が抜けてしまった部分に人工の歯根を植える必要があるため手術は避けられません。
ブリッジでは、手術をする必要はありませんが、セットするために歯を削り神経を抜く作業が必要になります。
一方部分入れ歯では手術をしないため、手術による感染症や麻酔による悪影響がないのもメリットといえるでしょう。
部分入れ歯にせず歯のない状態を放置するのはリスクが大きい
たったの1本でも歯が抜けて、部分入れ歯を選択せずに放置してしまうと、以下のようなデメリットが起きてしまいます。
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- 歯並びが悪化する
- 周囲の歯に負担がかかる
- 噛み合わせが悪くなる
- 発音が悪くなる
- 口臭の原因となる
- 歯が欠損しやすくなる
- 食べ物をよく噛まなくなり、胃腸の負担が大きくなる
- 顔の形が歪む
歯が抜けてしまうと、左右のバランスが崩れてしまい、噛み合わせが合わなくなってしまいます。一部の歯に過度に負担がかかると、健康な歯でも折れてしまうかもしれません。さらに歯が抜ける…といった負のスパイラルが起きてしまいます。
そうならないためにも、1本でも歯が抜けてしまったら部分入れ歯を作り適切な処置を施してもらいましょう。
まとめ
今回、部分入れ歯の金具を隠す方法から部分入れ歯のメリットについて紹介してきました。保険が適用される部分入れ歯は金具が目立ってしまうため、「入れ歯とばれるのが嫌だから、思うように人と話せない…」と悩んでしまう方も多いでしょう。しかし、患者さんの抜けた歯の本数や位置、口の開き具合によって上手に隠すことが可能です。
部分入れ歯は、手術をしたり健康な歯を削ったりする必要がありません。広い範囲を短期間でカバーすることができます。
1本でも歯が抜けてしまったら、他の歯や身体に悪影響が出る前に、治療を受けるようにしてください。
この記事を参考に、部分入れ歯にするメリットを知ったうえで、担当の歯科医師に相談しましょう。
当院では、丁寧なカウンセリングで一人ひとりに合わせた入れ歯をご提供しています。入れ歯に関するお悩みは中葛西歯科までお気軽にご相談ください。