「銀歯だと治療の跡が目立つから、保険が効くほかの治療を受けたい」と考える方もいるでしょう。
虫歯治療というと「銀歯」のイメージが強いかもしれませんが、近年では保険適用のほかの治療方法も増え、選択肢が広がっています。
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- 銀歯以外で保険が適用される虫歯治療の種類
- オーソドックスな銀歯以外の保険治療
- 代表的な治療方法のメリット・デメリット
この記事を最後まで読めば、それぞれの虫歯治療で保険が適用される条件を知ることできます。
自分の希望に沿った治療を受けられるようになるので、ぜひ参考にしてください。
銀歯以外で保険が適用される虫歯治療の種類と保険適用範囲
銀歯以外で保険適用となる3つの治療方法と、それぞれの適用範囲や費用について解説します。
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- コンポジットレジン
- 硬質レジン前装冠
- CAD/CAM冠
虫歯治療において保険が適用されるかどうかは、使用する材料や治療の内容によって決まります。素材や治療部位によって保険を受ける条件が異なるので、事前に把握しておきましょう。
関連記事:銀歯を白くしたいけど保険は適用される?3つの治療方法や費用を解説
コンポジットレジン
コンポジットレジンは前歯・奥歯などどの歯で治療を受けても、保険が適用されます。
参考:【181P】令和6年度診療報酬改定の概要【歯科】|厚生労働省
コンポジットレジンは、虫歯の小さな部分に液体状のレジン(歯科用プラスチック)を詰め、特殊な光を当てて固める方法です。治療費は1本1,500〜2,000円ほどです。
セラミックのみで治療を受けてしまうと、自費診療となってしまうので注意してください。治療範囲が広いため簡単な虫歯治療であれば、選択肢の1つになります。
硬質レジン前装冠
前歯のみ保険が適用される治療方法が硬質レジン前装冠です。
参考:【14P M011 前装鋳造冠】診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)|厚生労働省
硬質レジン前装冠とは、金属の土台の周りを白いレジン(歯科用プラスチック)で囲んだ被せ物でおこなう治療方法です。保険は適用されますが、1本8,000円ほどでコンポジットレジンよりも高額になります。
金属フレームには金銀パラジウム合金と呼ばれる銀歯と同じ材質が使用されているのが特徴です。
CAD/CAM冠
CAD/CAM冠は、一部条件付けで保険が適用されます。また、2024年6月より第二大臼歯と第三大臼歯も保険の適用範囲が広がりました。
参考:【113P】令和6年度 診療報酬改定の全体概要版|厚生労働省
改定後は、歯の噛み合わせ次第で保険が適用される条件が異なるので、注意しましょう。
CAD/CAM冠は、患者の歯の状態を機械で読み込ませて、代替品となる補綴物を作成します。1本数千円〜1万円ほどです。
保険の条件が適用されるかは複雑なので、治療前に歯科医師へ確認しましょう。
関連記事:CAD/CAM冠と銀歯はどっちがいい?メリット・デメリットと違いを解説
コンポジットレジンで虫歯治療をおこなうメリット・デメリット
ここからは、治療方法別に虫歯治療をおこなうメリットとデメリットについて解説していきます。
まずは、コンポジットレジンのメリット・デメリットを詳しくみていきましょう。
コンポジットレジンのメリット
コンポジットレジンのメリットは以下のとおりです。
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- 治療の負担が小さい
- たくさん歯を削らなくてもいい
- 15分と短時間で治療が終わる
一つずつ解説します。
治療の負担が小さい
大きな負荷がかからないのがコンポジットのメリットです。虫歯の初期症状のときにおこなわれる治療方法で、ほとんど痛みがありません。
歯を抜かなければならないほど虫歯が進行してしまった際は、麻酔を使用して治療をすることもあるでしょう。
しかし、コンポジットレジンであれば歯を少しだけ削るだけで治療がすむので、患者へ大きな負荷はかかりません。
歯を削る量が少ない
銀歯よりも歯を削る量が少ないのが特徴です。必要最低限の部分しか削らないため、健康な歯を多く残せます。
虫歯になってしまったところだけを除去をして、歯を修復できます。健康的な部分の歯を削らなくてすむので、歯の寿命を伸ばしたい方にとっては有効な選択肢でしょう。
15分と短時間で治療が終わる
コンポジットレジンは、治療にかかる時間が短いのも特徴です。
治療に使用される材料を虫歯の除去した部分に補填する治療方法になるため、型取りや患者の噛み合わせなどの工程が必要ないからです。
1回15分ほどで完了するケースも多く、通院回数も1回で済みます。
時間がなくてあまり歯医者へ行けない方でも治療を受けやすいでしょう。
コンポジットレジンのデメリット
コンポジットレジンのデメリットは以下のとおりです。
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- 欠けてしまうリスクがある
- 強度が必要な奥歯では治療できない
- 虫歯の進行具合では修復できない
メリットだけでなくデメリットも把握しておくことで、治療を受けてからの後悔がなくなります。
欠けてしまうリスクがある
コンポジットレジンは、欠けてしまうことがあります。銀歯やセラミックと比較して強度が低く、剥落しやすいからです。
コンポジットレジンは柔らかく加工しやすい材料が使用されているので、耐久力に限界があり強度が出にくいです。
強度が必要な部位で治療をする場合、ほかの施術方法を検討しましょう。
強度が必要な奥歯では治療できない
コンポジットレジンは、強度が必要な奥歯の治療には向いていません。
硬い食材を食べたり力を入れたりすると奥歯には強い負荷がかかるだけでなく、摩耗により破損するリスクが想定されます。
奥歯には、セラミックなど別の素材を選ぶほうが安心でしょう。
虫歯の進行具合では修復できない
虫歯が進行していると、コンポジットレジンでは対応が難しくなります。
歯の深いところまで虫歯が進行してしまうと、固めるための光が届かなくて固まりにくいからです。
また、隣接している歯に虫歯が侵食してしまって面積が広くなってしまうと、充分に固まらずコンポジットレジンでは治療に向いていません。
コンポジットレジンで虫歯を治療したいのであれば、早期発見が大切です。
硬質レジン前装冠のメリット・デメリット
次に、コンポジットレジンのメリット・デメリットについて解説していきます。
硬質レジン前装冠のメリット
硬質レジン前装冠のメリットは以下のとおりです。
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- 金属を使用しているため強度が高い
- 銀歯よりも自然な見た目
- カラーバリエーションの範囲が少し広い
保険が適用される治療で、金属を使用しているのに見た目が白いのは硬質レジン前装冠だけです。銀歯と比較して治療を受けるかを検討しましょう。
金属を使用しているため強度が高い
硬質レジン前装冠は高い耐久性を誇ります。レジン(歯科用プラスチック)よりも硬い金属のフレームを土台として使っているためです。
コンポジットレジンとは異なり、前歯の大きな欠損であっても治療を受けられます。また、金属のため欠けにくいです。
噛み合わせや衝撃に強く、長期間安定した状態を保ちやすいでしょう。
銀歯よりも自然な見た目
銀歯よりも治療の跡が目立ちにくいです。
土台は金属ですが、表面は白いレジン(歯科用プラスチック)で覆われているため、自然に生えている歯との質感が似ています。
レジン(歯科用プラスチック)であれば銀歯と異なり金属特有の光沢がありません。そのため、笑ったり食事をしたりしても人の目線を集めにくいです。
前歯で硬い食材をよく噛んでしまうけど、自然な見た目にしたい方におすすめの治療方法です。
カラーバリエーションの範囲が少し広い
硬質レジン前装冠は、範囲は狭いですが色の調整ができます。保険診療のなかでも複数の色調を選べるように、歯科技術が進化してきているからです。
ただし、グラデーションをつけることはできないため、完璧に患者の歯の色にあわせられません。
審美性に強いこだわりがなければ、前歯の最適な治療方法といえます。
硬質レジン前装冠のデメリット
硬質レジン前装冠のデメリットは以下のとおりです。
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- 金属アレルギーになるリスクがある
- 角度によっては金属が見えてしまう
- 保険が適用されるのは前歯のみ
それぞれ解説していきます。
金属アレルギーになるリスクがある
金属アレルギーを発症するリスクがあります。
長期間の使用によって金属イオンが溶け出し、長い時間をかけて身体に影響を及ぼす可能性があるからです。
金属アレルギーではなかった方が金属に反応して発疹や頭痛、慢性的な疲労感などの症状が出るケースも報告されています。
金属アレルギー体質の方はもちろん、健康被害を受けるリスクがあるのは事前に把握しておきましょう。
角度によっては金属が見えてしまう
角度によって金属部分が見えてしまいます。硬質レジン前装冠は正面だけレジン(歯科用プラスチック)が貼られていて、裏側は金属のためです。
口を大きく開けると金属が見えてしまい、審美性を損なうリスクがあります。そのため、虫歯治療の跡を人に見られてしまう可能性をゼロにすることはできません。
保険が適用されるのは前歯のみ
硬質レジン前装冠は保険適用が前歯に限られており、奥歯では使用できません。
噛む力の強い奥歯では耐久性の確保が難しく、安全性の観点から制限されているからです。
そのため、奥歯に同じような見た目の治療を希望する場合は、セラミックのような自費診療か銀歯での治療となります。
治療を受けたい部位によって、適切な治療方法は異なるので歯科医師とすり合わせましょう。
CAD/CAM冠のメリット・デメリット
最後に、CAD/CAM冠のメリット・デメリットを解説していきます。
CAD/CAM冠のメリット
CAD/CAM冠のメリットは以下のとおりです。
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- 自然に生えている歯への負荷が小さい
- データがあれば何度も機械で作り直せる
- 保険適応される範囲が広い
一つずつみていきましょう。
自然に生えている歯への負荷が小さい
CAD/CAM冠ではほかの歯に対しての大きなストレスをかけません。CAD/CAM冠は素材が柔らかい素材のため、周囲の歯にダメージを与えないためです。
また、口腔状況をスキャンして、自然の歯との噛み合わせを調整してから被り物・詰め物を作成します。元々の噛み合わせに合わせ口腔内のバランスを保つことが可能です。
残っている健康な歯への負荷が小さいため、長期的に使用してもほかの歯へ悪影響を与えないでしょう。
データがあれば何度でも機械で作り直せる
データが保管されていれば、何度でも機械で作り直せます。
CAD/CAM冠では特殊な機械を使用し、スキャナーによって患者の口腔内データをデジタルで保存されていることから、再現性が高いです。
もし被り物・詰め物が破損したり外れてしまったりしても、同じ部位であればデータをもとに短時間で再作成できます。
歯科技術の進歩により、繰り返し患者の口腔状況を取り直す手間を削減できるようになったのです。
保険適応される範囲が広い
硬質レジン前装冠と比較して保険の適応範囲が広いのが特徴です。厚生労働省の指針により、保険が適用される部位や条件が拡大されつつあります。
前歯はもちろんですが2024年6月より第二小臼歯だけでなく条件付きで第一大臼歯も対象となっており、選択肢が増えているのです。
結果的に、以前よりも多くの方が安価で白い材質の治療を受けられるようになっています。
CAD/CAM冠のデメリット
CAD/CAM冠のデメリットは以下のとおりです。
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- 強度が低い
- 2年間は同じ部位の治療ができない
- 治療が受けられる歯科医院が限られる
CAD/CAM冠のみに見られるデメリットも存在するので、治療を受ける前に把握しておきましょう。
強度が低い
コンポジットレジン同様、やはり強度が低いです。
セラミックが含まれているものの、ほとんどが歯科用プラスチックのためです。
歯ぎしりや食いしばりの癖がある方に治療をしてしまうと、被せ物・詰め物が破損するリスクが高くなります。
強度が低いため、極端な力をかけないようにしましょう。
2年間は同じ部位の治療ができない
保険適用でCAD/CAM冠を使った場合、2年間は同じ部位は再治療が認められていません。
保険制度上の制限によるもので、仮に割れてしまってもすぐに同じ治療ができないという不便さがあります。もし同じ部位で治療を受ける場合、自費診療となってしまいます。
治療を受けてから2年未満で同じ部位を治療したと発覚すると、費用が高額になってしまうので注意してください。
治療が受けられる歯科医院が限られる
治療を受けられる歯科医院が限られているので、治療を受ける前に確認しましょう。CAD/CAM冠を扱うには専用の設備が必要になるためです。
機械は高額で、すべての歯科医院で提供されているわけではありません。また、歯科医院はCAD/CAM治療をおこなうにあたって厚生労働省へ届け出を提出しなければならないのです。
治療を希望する際には、事前に対応可能な歯科を確認することが大切です。
関連記事:CAD/CAM冠のデメリットは?CAD/CAM冠で後悔しないための注意点も解説
銀歯以外で保険適用の虫歯治療を受ける際の注意点3つ
銀歯以外で保険適用の虫歯治療を受ける際は、以下の3点に注意してください。
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- 銀歯と比較して耐久性が低い
- 変色・劣化のリスクがある
- 日常的な口腔ケアを怠らない
一つずつ解説していきます。
銀歯と比較して耐久性が低い
保険適用の詰め物や被せ物は、銀歯に比べて耐久性が劣る場合が多いです。特に奥歯などの強い力がかかる部位では、欠けたり割れたりするリスクが高まります。
そのため、日常生活での食事はなるべく固いものを避けたり、噛み合わせに注意したりする必要があります。
変色・劣化のリスクがある
前述もしたように、保険適用の虫歯治療は、時間が経つと変色や劣化が生じます。これにより、見た目が悪くなるだけでなく、再治療が必要になる場合もあるのです。
定期的な歯科検診を受け、必要に応じてメンテナンスや詰め物・被せ物の交換をおこなうことが大切です。
日常的な口腔ケアを怠らない
保険適用の詰め物や被せ物を長持ちさせるためには、日々の口腔ケアが欠かせません。適切なブラッシングやフロスの使用を心がけ、プラークや食べかすをしっかり取り除くことで、詰め物や被せ物の寿命を延ばすことが可能です。
また、歯科医院での定期的な検診により、早期の問題発見から治療まで適切な対処を受けるようにしましょう。
まとめ
保険適用で銀歯以外の虫歯治療を受ける選択肢は、ますます広がっています。
今回紹介をした硬質レジン前装冠・CAD/CAM冠では保険が適用されるには一定の条件をみたす必要があるので、自分で調べたうえで歯科医師に相談するようにしましょう。
それぞれの治療方法にはメリットとデメリットがあるため、自分の口腔状態やライフスタイルに合わせて適切な治療を選ぶことが大切です。
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