歯周病の種類
歯周病は段階に分けて大きく2つに分けられます。
歯肉炎
歯肉炎は、歯ぐきのみに炎症が起きている状態です。原因となる歯垢と歯石を除去するとともに、丁寧にブラッシングすることで改善が期待できます。なるべくこの段階で歯周病を発見し、適切なケアで改善させることが大切です。
歯周炎
歯周炎は、歯肉炎が悪化し、歯を支える歯槽骨にも炎症が起きた状態です。骨が破壊されているため、元の状態に戻すことは困難になります。歯ぐきの腫れや歯磨きのときの出血に加えて、膿が出たり歯が揺れるようになったりします。
歯槽膿漏(重い歯周炎)
歯槽膿漏とは、歯周炎の中でも最も進行した状態です。何もしなくても歯ぐきから血や膿が出たり、ひどい口臭、歯の揺れなどの症状が現れます。放置すると歯が自然に抜け落ちる可能性もあり、早期に治療を開始しなければなりません。しかし、完治には長期間の通院が必要になるため、歯槽膿漏になる前に治療を開始することが重要です。
歯周病の進行
歯肉炎は幅広い年代の人にみられます。放置すると歯周炎に進行し、歯槽骨が大きく破壊されることでいずれは歯が抜けてしまいます。健康な状態から歯周病がどのように進行するのか詳しく解説します。
健康な状態
健康な歯ぐきは引き締まっており、色はピンクです。歯とのすき間もなく、歯垢や歯石が溝に溜まることはありません。
歯肉炎
歯ぐきに炎症が起きて、腫れや赤み、歯磨きのときの出血などの症状が現れます。痛みがないため、気づかない人がほとんどです。少しずつ歯周ポケットが深くなり、やがて歯槽骨に炎症が拡がります。
軽度歯周炎
軽度歯周炎は、歯槽骨が溶かされ始めた段階です。まだ痛みが現れないため、気づかない人がほとんどです。
中等度歯周炎
歯槽骨の半分ほどが破壊された状態で、歯がぐらつきはじめて硬いものを噛みづらくなります。歯ぐきからは血だけではなく膿も出る場合があります。
重度歯周炎
歯槽骨の大部分が溶かされて、歯が大きく揺れるようになります。通常の食事にも痛みを伴うため、日常生活に支障をきたします。放置すると歯が抜け落ちる恐れがあるため、すぐに治療を始めなければなりません。
歯周病のセルフチェック
- 歯ぐきが赤く腫れているところがある
- 歯ぐきが痩せてきた気がする
- 口臭が気になる
- 歯と歯の間にものが詰まりやすい
- 歯が長くなったように感じる
- 口腔内がネバネバする
- 歯がグラグラしている
- 冷たい水がしみる
- 歯みがきすると血が出る
- 歯ぐきがむずがゆい、もしくは痛い
- 硬いものが噛みにくい
- 歯ぐきを押すと膿が出る
【判定】
チェックがない場合
いまのところは心配ないです。少なくとも1年に1回は歯科検診を受けましょう。
チェックが1~2個
歯周病の可能性があります。
セルフケアの見直しと念のために歯周病検査を受けられることおすすめします。
チェックが3~5個
初期または中等度歯周炎以上に歯周病が進行している可能性があります。
なるべく早めに歯科医院を受診しましょう。